Amazonアソシエイトはなぜ画像リンクを廃止したか

2023年11月にAmazonアソシエイト・ツールバーの画像リンク作成機能が廃止されました。

それ以降、ツールバーで作った画像リンクが表示されなくなりました。バナー等のアフィリエイト機能も廃止されています。

画像リンクを廃止した理由についてAmazonは説明していませんが、個人的に気づいたことがありますので、シェアしたいと思います。

画像リンクが廃止されたのはAmazonアソシエイトだけ

まず大前提として、アフィリエイト用の画像リンクが廃止されたのは、Amazonアソシエイトだけです。API経由での画像リンクは可能です。

たとえば、はてなブログなどのブログサービスが提供しているAmazonリンクを利用すると、画像がちゃんと表示されます。

「何が違うんだろう？」とソースを見て気づいたことがありました。

アソシエイト・ツールバーの画像リンクでは、インプレッション計測用の見えない画像が添付されていたことです。

アソシエイト・ツールバーで画像リンクを作ると、商品の画像に加えて、1px四方の画像もサイトに貼ることになります。

画像のタグは以下のような感じです。

<img style="border: none !important; margin: 0px !important;" src="" alt="" width="1" height="1" border="0" />

1px四方の小さな画像は人間には見えません。そのページのインプレッションがあるたびに画像を呼び出すことでインプレッション数を計測していました。

これはA8などのリンクも同様で、昔のアフィリエイトではよく見かけました。

しかし、現在はそのようなやり方は好まれなくなったようです。

見えない画像を貼っておいて、知らないうちに訪問者にダウンロードさせて、統計を取る。

以前はまったく問題なかったやり方ですが、近年のプライバシー意識の高まりで問題視されるようになったのかもしれません。

ですから、Amazonとしては従来の画像リンク作成のシステムは廃止するしかなかったのだと思います。

ここで疑問なのは、「廃止ではなく変更はできなかったのか？」ということ。APIに提供しているリンクと同様のシステムに変更すればいいような気がします。

しかし、そうすると公平性に問題が出てきます。

「◯年◯月◯日以前の画像リンクは無効。それ以降の画像リンクは有効」

こうすると、新しく始める人にメリットがあり、昔からAmazonアソシエイトのメンバーだった人はリンクを全面的に張り替える必要が生じます。

つまり、Amazonアソシエイトの開始時期による不公平感が生まれます。

それくらいなら、すべて廃止にしてしまって、公平性をアピールしたかったのだと思います。

Amazonとしても苦渋の決断だったのではないでしょうか。

Amazon アソシエイトでは、Product Advertising API (PA-API)を提供しています。

APIを経由すれば画像リンクを取得することは可能です。

はてなブログ等の既存サービス内のブログでなくても、上記APIを自分で運用すれば自分のサイトで画像を貼れます。

ただし、プログラミングのスキルが必要なためハードルが高くなります。一定の技術力がある人でないと今までのように画像リンクを貼ることはできません。

こういったハードルを設けることで、「今までの画像リンクは廃止」という公平性を担保しているのだと思います。

Amazonアソシエイトのバナー等リンクも廃止されたのも同じように技術的な理由だと推測します。

個人サイト・ブログもSSL化する時代になりました。Amazonアソシエイトメンバーのサイト・ブログは、SSL化している人としていない人がいます。

昔からのAmazonアソシエイトバナーリンクは、iframeを使っていました。SSL化してからiframeで呼び出すと、SSLではない画像が呼び出されて、SSLが無効になるトラブルがありました。

このように、ユーザーによってSSLに対応する人としていない人が混在する状態になると、バナー等のアフィリエイトシステムはトラブルが出やすくなります。

もちろん、技術的にAmazonが対応することは可能ですが、そうすると「以前のアフィリエイトリンクは無効。◯年◯月以降のアフィリエイトリンクは有効」という不公平感が生じてしまうのです。

そのため、バナー等についても全面廃止せざるをえなかったのだと思います。

私はAmazonの中の人ではないので、上記は個人的な見解です。

しかし、Amazonが画像リンクを廃止した理由の中のひとつには、上記の理由が含まれているのではないでしょうか。

個人的にAmazonアソシエイトには昔からお世話になりましたので、感謝しかありません。「テキストリンクだけでも構いませんので今後もよろしくお願いします」というのが今の気持ちです。