【個人事業か法人か】迷った時点で法人化してはいけない

仕事

私は自営業をずっと続けてきましたが、個人事業を法人化して10年経営し、また個人事業に戻った経緯があります。

今までの経験から、「個人事業主が法人化すべきかどうか」の悩みについて、私なりの結論があります。

個人事業と法人のどちらが得か?

個人事業と法人、それぞれにメリットとデメリットがあります。本でもネットでも対比表があちこちにありますが、以下のサイトでもよくまとまっています。

個人事業主と法人の違いは?10項目で比較したそれぞれの特徴と事業開始時の選び方 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee
自分で事業をはじめる場合、個人事業主になるか法人を設立するかを選択することになります。それぞれのメリットやデメリット・適性について、判断基準を簡潔に解説します。

法人化すると登記や確定申告の手続きが面倒ですが、事業スケールが大きくなるならメリットが多くなります。

どのくらいの利益が出るようになったら法人化すべきか?という面ではどうでしょうか。いわゆる「法人化の損益分岐点」です。

個人事業から法人化するタイミングは?
個人事業で事業をスタートして、ある程度軌道に乗り法人化を考えるという事はよくあります。 人によってどのタイミングで法人化するか?というのは様々です。 よく、どれ...

いろいろ調べましたが、上記のサイトが一番わかりやすかったです。

単純に、個人事業と法人の税金額を比較するだけでなく、法人化した後の役員報酬にかかる税金も計算して、「どちらが得か?」を計算しています。

簡潔にいえば、年間の利益が400万を超えたあたりから数字上は法人化のメリットが現れるが、法人化のコストを考えると得ではない。

年間の利益が800万を超えていると、法人化すれば年間74万円ほどの節税効果が見込める。

ということで、税金の損得だけをいうなら、個人事業で年間利益800万を超えてきたら法人化を考えることになります

事業収益の安定性を考慮したい

法人化を考えるときのもっとも重要な視点は、事業収益の安定性です。

たまたま年間800万の利益が出たからといって法人化すると、次の年から年間300万の利益になるかも知れません。低空飛行が10年続いたり、赤字かも知れません

そうなると、決算や均等割の税金や社会保険といった法人化のコストが重くなり、法人化なんて割に合わないわけです。

まして、利益400万程度のときに、「来年からもっと稼げる」といった皮算用で法人化すると、その後ずっと利益200万〜300万となったときに、法人化したことを後悔します。

私も甘い見通しで法人化してはみたけど、結局は個人事業レベルしか稼げず、法人であることの労力やコストが無駄になりました

耐え切れず、個人事業に戻ったら、毎日が気軽で楽しい(笑。

法人化を迷った時点で個人事業主

法人化して成功する人は、法人化を迷いません

  • 年間利益が数千万円〜数億円レベル
  • 人をたくさん雇って事業を拡大する
  • 創業者チームで起業して上場を目指している

こういう人達は、「個人事業にしようかな。法人にしようかな。どっちが得かな」なんていう次元では事業をしていないのです。

法人はそういう人達のためにあるといってもいい。

逆に、以下のような人達は法人化してはいけない。

  • マイペースで事業をして生活費を稼いでいる
  • 資金調達して事業を拡大する意欲はまったくない
  • 自分一人で事業をしている。

こういう人は、やっぱり「個人事業主」なんです。

「年間利益が500万を超えた。法人化すれば30万円くらい節税できるかも」とか、そういうセコイ計算で法人化してしまうと、法人のコストと労力が重くて嫌になります

法人化しても信用はないから

私がそうだったからわかるのですが、世間にたいする箔付けのために法人化したがる自営業者がいます。

「個人事業主です」というより「株式会社を経営しています」の方が、世間の通りがいいような気がする。(錯覚です)

そう考えて、法人化を急いでしまうケースが多い。

気持ちはわかりますが、世間はまったく気にしていません。1円起業でインチキ株式会社が乱立している現在、法人化したところで誰も信用しません。

まったくの独り相撲です。

法人化させて稼ぐ人達が多い

世の中には、他人が起業すると稼げる仕事がたくさんあります。

  • 行政書士(登記)
  • 税理士(決算)
  • 会計ソフト(決算)
  • はんこ屋(登記)
  • オフィス家具(事務所)
  • オフィス不動産・賃貸(事務所)
  • コンサルタント・セミナー屋

要するに、法人を経営するとコストがかかります。そのコストは誰かの儲けになっているわけです。

個人事業主で地道に仕事をしている人は、あまりコストをかけないので、他人からみれば儲からない。

だから世の中には法人化を勧める人達が大勢いて、法人化のメリットばかり強調されています。ご用心。

結論:迷わなくなったら法人化

年間の利益が1千万を軽く超えてきて、ビジネスモデルが強固になってくると、迷う余地なく法人化することになります。

「どっちにしようか?」とは考えなくなります

そうなってから法人化すればいい。

迷っているかぎり、個人事業主がベストな選択です

コメント

  1. まるちゃん より:

    この記事、凄く良かったです(о´∀`о)
    有難うございました。
    お陰様で、どんよりした重暗い雲が消え、
    スッキリ晴れ晴れ!

    優柔不断な私に決断させた良記事でした♬
    感謝

    • 管理人 より:

      法人化して無駄な苦労をしちゃったので、法人化を迷っている方にどうしても伝えたい記事でした。

      お役に立ててうれしいです。(^^