1万円のシューズを買ったんですが、3万円のシューズと比較すると、どうしても見劣りしてしまう。そこで、最初から5千円のシューズと比較すれば良かったと気付きました。
何かを買うときに、いくつかの商品を比較するはずです。そのとき、安い商品と比較するようにすれば、買い物の満足感が上がります。
買い物で不満が残るパターン
たとえばノートPCを買うとき。5万円を予算として、その価格帯のノートPCを買う予定だったとします。
ネットで買うにしても、家電量販店に行くにしても、いくつかのノートPCと比較することになります。
そのとき、予算である5万円以上のノートPCを見てしまうと、問題が発生します。
20万円、30万円のノートPCを見てしまうと、どうしても5万円のノートPCは見劣りするわけです。
「20万円のノートPCはやっぱり高級感があるなあ。こういう機種を使いたいものだなあ」
そんなふうに感じるわけです。そうなると、予算を超えて、無理をして高い機種を買いたくなります。
仮に予算内におさめて5万円のノートPCを買ったとしても、どこか不満が残ってしまいます。
予算以上の商品を見ない
安い商品と比較するようにしましょう。
5万円が予算なら、2万円とか3万円程度の商品と比較するわけです。
すると、「5万円のノートPCはやっぱり良いな」と感じて、買い物の満足が上がります。
あるいは、「3万円のパソコンで十分だな」と気づいて、予算より安く済ませることが可能になるかもしれません。
常に、予算を上限として、予算内の商品だけで比較したほうがいいです。予算を超える商品は存在しないことにしましょう。
アンカリング効果を自分に使う
上記に関係した言葉で、「アンカリング効果」があります。
先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向をさす。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
最初に印象的な情報を与えると、その後の判断が影響されるのです。特に、最初の情報に近づく傾向があります。
最初に20万円のノートPCを見せる。すると、予算が5万円のはずなのに、選択する商品が20万円に近づいて、8万円とか10万円のノートPCを買ってしまう傾向があるのです。
高級な商品ばかりを見ていると、どうしたって散財しがちになるわけですね。
逆に、アンカーを安い商品にして、3万円の商品だけをみる。すると予算の5万円に収まるようになります。
それどころか、5千円の中古ノートPCをじっくり比較するようにすれば、5万円の予算なのに1万円前後の中古PCを選択するかもしれません。
売る立場の戦略
上記のことを逆に考えれば、売るための戦略が見えてきます。
買い物客がきたら、とにかく高い商品を見せる。高い商品の良さを感じさせる。
すると、客は予算よりも高い商品を買うことが増えるわけです。
どうしたって高い商品は良いものが多いので、それを知ってしまえば無理をして買ってしまう客はけっこういます。
本当に顧客のことを思う店員だったら、客から予算を聞いて、それ以下の商品だけを見せるはず。
少しでも売上を増やしたいと思っている店員は、とにかく高い商品を見せてくるはずです。ご用心。
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