ストレスの原因は、ほとんどが人間関係です。
世の中には、人間関係にストレスを感じやすい人もいれば、感じにくい人もいます。
どうしてその差があるのか。ストレスを感じやすい繊細な人はどうすればいいのか考えてみます。
人間関係のストレスを感じやす人の特徴
私の知り合いで、ストレスを感じやすい人がいます。Aさんとしましょう。
Aさんの職場の上司が怒りっぽい人らしく、ほとほと精神的に参っていました。
しかし、同じ職場の同僚達は、そこまでストレスを感じていないようです。
上司が理不尽なことで怒ったときに、同僚たちは「ははは。また始まったよ」と心の中で受け流しています。
しかし、ストレスを感じやすいAさんは、上司の機嫌や感情によってストレートに影響を受けて、怯えたり、反省したり、腹を立てたりします。
自他の感情が別であること
その同僚たちは、「上司の機嫌なんてどうでもいい」と思っているのです。上司が怒ろうが笑おうが、自分とは無関係の他人でしかありません。
Aさんは、反射的に上司の感情と同一化してしまう。上司が怒れば怯えるし、上司が笑えばホッとする。
つまりAさんは他者の感情と自分の感情が分離していないことになります。
子供時代は誰でもつながっている
人間は誰でも、子供のときに親と自分を同一化します。親が怒れば泣くし、親が笑えば笑う。子供と親は感情的につながっています。
しかし、やがて成長すると、子供は親と精神的に分離し始めます。親には親の人生があり、自分とは別の人間(生物)であり、究極的には自分とは関係がないことに気づく。
これによって、親が怒っても、自分の感情がストレートに動揺することもなくなる。
こうして、相手が誰であっても、他者はすべて別の人間であることを学習します。
他者との分離ができていないと人間関係はストレスの渦
しかし、このような他者との分離ができてない人もいます。
他者と、精神的に、存在的に、簡単につながってしまう。他者と自分をすぐに同一視してしまう。
こうなると、周囲の人の感情や機嫌が、自分のものと同じくらい重要になってしまう。
他者が怒っているときに、「なんとかしなきゃ」と思ってしまう。
他者と分離できていれば、いくら相手が怒っていても、「まったく自分とは別の生物がよくわからないが怒っているようだな・・・」と眺めるだけです。
他者との分離ができていないと、あらゆる人間関係は疲れるものになるし、ちょっとしたことでストレスを貯めることになります。
他者と分離するための3ステップ
では、人間関係にストレスを感じやすい人はどうすればいいでしょうか。
他者と精神的に分離するしかありません。
そのためには、少しずつ「自分は自分。他者は他者」というのを学んでいく必要があります。
- 自分の感情に気づく:いかなる自分の感情も全面的に肯定する。そのうえで、自分の感情にいつも気づいて、尊重する。
- 他者を理解する:他者が持つ感情にたいして反射的に同一化するのではなく、「なぜ他者はそのような感情を持ったのか」について理性的に言葉で把握する。
- 損得勘定を計算する:他者とどのように付き合い、どのような振る舞いをすれば、自分は得かを把握し、自分を幸せにするための合理的な行動を選ぶ。
このようなプロセスは、多くの人は10代はじめから20代はじめにかけて経過しています。
こういった成長プロセスが遅れてしまうと、自他の分離が遅れて、人間関係が辛いものになります。
上記3点を意識して生活してみましょう。徐々に他者に振り回されなくなり、人間関係が楽になるはずです。
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